人の細胞に感染する豚のインフルエンザウイルス見つかる 中国
NHK NEWS WEB
アメリカの科学雑誌、「アメリカ科学アカデミー紀要」に掲載された論文によりますと、研究グループは、2011年から18年にかけて、河北省や山東省など10の地域で豚のインフルエンザウイルスを調べた結果、複数の養豚場から人の細胞に感染する能力のある同じタイプのウイルスが見つかったということです。
確認されたウイルスは「H1N1」と呼ばれるタイプのもので、遺伝子には、ヨーロッパと北アメリカの鳥のウイルスと、2009年に新型のインフルエンザウイルスとして世界的に流行し、その後定着したヒトのウイルスの特徴があり、動物のフェレットを使った実験でも高い感染力を示したということです。
また、養豚場で働いている338人を調べたところ、10.4%に当たる35人から過去に感染したことを示す抗体が検出されたほか、養豚場以外の人の一部からも抗体が検出されたということです。
研究グループは、人から人への感染を起こすおそれがあるとして、感染が広がらないよう監視していく必要があるとしています。