インドで生じた新株、「ケンタウロス」に関する情報です。
細心の注意,対策をお願いいたします。
オミクロン株による流行は、BA.1/BA.2という変異株から始まり、その後、日本ではBA.5に置き換わりました。
BA.1/BA.2は、デルタ株に比べて免疫回避性が強く、流行しやすい株でしたが、BA.5はこれよりもさらに免疫回避性が高く、強い流行性を持っています。
最近、これに加えて、インドや一部のヨーロッパ諸国ではBA.2.75(別名ケンタウロス)というBA.2の亜系統の株が見つかっています。まだ症例数が少ないのですが、この株が持つ変異の数と種類を見ると、かなり厄介な「怖い変異株」である可能性があります。
写真の図を参照
① オミクロン株は最初BA.1から始まり、次にBA.2が生まれ、そこからBA.4/BA.5とBA.2.75に分かれました。つまり、BA.4/BA.5とBA.2.75はお互いに兄弟(姉妹)関係にあります。
② BA.4/5には多くの変異がありましたが、BA.2.75はBA.4/5と共通の変異を多数有するだけでなく、独自の変異も多く持っています(赤い丸がBA.4/BA.5が持つ変異、青い丸がBA.2.75が持つ変異です:BA.2.75はこれまで見つかった変異株の中ではもっとも多くの変異を有しています)。
③ その変異の多くは、ウイルスのNタンパク質遺伝子やS蛋白遺伝子の上にあり、ウイルスの機能に影響をきたす可能性があります。図に示したのはウイルスのスパイクタンパク質の一部分の立体構造で、BA.2.75に特徴的な変異(ピンク色)がいくつもスパイクタンパク質上にあることが分かります。これらの部位はスパイクタンパク質の機能に影響を与える可能性が高く、このことから、BA.2.75はBA.4やBA.5よりもさらに免疫回避性が高い可能性があります。
④ 以上のことから次のことが考えられます。
免疫回避性が高い=感染しても免疫が出来にくく、すでに持っている免疫があったとしてもそれが働きにくくなる。
ということは?
以前にオミクロン株に感染した人でもBA.2.75にはかかりやすい可能性がある(=再感染しやすい)
さらに、ワクチン効果がBA.4やBA.5よりももっと低くなる可能性があります。
そのためこの株がいったん広がり始めると、急速に感染が進行する可能性があります。
パーテーションや体温測定、アルコール消毒で対応していこうとする飲食店、施設が未だに多く見られます。コロナは空気感染(エアロゾル感染)です。大切なのは、マスクの着用と空間除菌、換気です。HASH for Proを利用されている皆様、販売店の皆様は情報を知っている中での感染は怠慢となってしまいますので、HASH AiRやHASH AiR+HASH+eRを活用し、意味のある対策をお願いいたします。
参照:大阪大学医学部宮坂名誉教授