コラム

HACCP22020年頃?HACCPが日本で義務化されるのはいつ?

HACCPの考え方は、アメリカのアポロ計画の中で宇宙食の安全性を確保するために発案されたものですが、その後様々な食品に適応され世界各国に広がっていきました。1993年には、国際食糧農業機関と世界保健機関から派生する食品規格委員会によって、HACCPのガイドラインが示されました。先進国を中心にHACCPを義務化する国も増えており、今やHACCPは食の安全性を維持する国際基準となっています。

日本でも、海外との食品取引の際には国際基準に則った衛生管理が求められ、大企業を中心にHACCPを導入する業者が徐々に増えつつある状況です。しかし、小規模な業者の導入率は悪く、全体的には数ある先進国の中でも導入率が非常に低い状況にあります。そのため、日本では段階的にHACCPの導入を義務化しようとする動きがあり、2018年の国会では、HACCPの義務化を含めた食品衛生法の改正案が提出され、審議される予定です。

特に2020年に行われる東京オリンピック・パラリンピックは、世界中の注目が日本に集まる機会であり、国内外に日本の徹底した衛生管理を示すためにも2020年までの義務化が目標とされています。

◆2018年6月にHACCPが義務化決定

2018年6月に食品の製造・加工・調理・販売などを行う全事業者にに対してHACCPを義務化する『改正食品衛生法案』が衆議院にて可決しました。本法案の概要は以下の通りです。

1.広域的な食中毒事案への対策強化
国や都道府県等が、広域的な食中毒事案の発生や拡大防止等のため、相互に連携や協力を行うこととするとともに、厚生労働大臣
が、関係者で構成する広域連携協議会を設置し、緊急を要する場合には、当該協議会を活用し、対応に努めることとする。

2.HACCP(ハサップ)*に沿った衛生管理の制度化
原則として、すべての食品等事業者に、一般衛生管理に加え、HACCPに沿った衛生管理の実施を求める。ただし、規模や業種等を
考慮した一定の営業者については、取り扱う食品の特性等に応じた衛生管理とする。
* 事業者が食中毒菌汚染等の危害要因を把握した上で、原材料の入荷から製品出荷までの全工程の中で、危害要因を除去低減させるために特に重要な工程を管理し、安全性を確保する衛生管理手法。先進国を中心に義務化が進められている。

3.特別の注意を必要とする成分等を含む食品による健康被害情報の収集
健康被害の発生を未然に防止する見地から、特別の注意を必要とする成分等を含む食品について、事業者から行政への健康被害
情報の届出を求める。

4.国際整合的な食品用器具・容器包装の衛生規制の整備
食品用器具・容器包装について、安全性を評価した物質のみ使用可能とするポジティブリスト制度の導入等を行う。

5.営業許可制度の見直し、営業届出制度の創設
実態に応じた営業許可業種への見直しや、現行の営業許可業種(政令で定める34業種)以外の事業者の届出制の創設を行う。

6.食品リコール情報の報告制度の創設
営業者が自主回収を行う場合に、自治体へ報告する仕組みの構築を行う。

7.その他(乳製品・水産食品の衛生証明書の添付等の輸入要件化、自治体等の食品輸出関係事務に係る規定の創設等)

また、本法案はHACCPに沿った衛生管理の制度化を公布日から2年を超えない範囲内において政令で定める日までという期日を設けています。これは、法案公布後から2年後の2020年6月から本法案は施行され、経過措置期間を経て2021年の6月から義務化が開始するということです。つまり、食品関連事業者は遅くとも2021年の6月までにHACCPによる衛生管理制度の導入を行わなければなりません。

 

次回は、対象となる範囲について♬

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